外国人の在留資格ってどんなもの…
SOSフクオカ 行政書士の緒方です。
今回は、在留外国人の在留資格について掲載させていただきます。
少子高齢化の影響で、人口減少、企業の人手不足が深刻化している中、外国人の受入れの在り方が社会問題になっています。
先月ニュースになりましたが、日本政府は今後の経済運営の基本方針として、新たな在留資格を創設し、外国人労働者の受入れ拡大を目指すと発表しました。
実際に実生活レベルで、多くの外国人観光客を見かけたり、コンビニや飲食店で外国人店員の姿を目にすることが多くなったと感じている方は多いと思います。
では、在留資格とはどんなもので、どんな種類があるのかご存知でしょうか?
そもそも在留資格とは、外国人が日本に入国・在留するための資格のことで、日本で行うことができる活動や、日本において有する身分・地位を類型化したものです。
※一般的には、査証(ビザ)という呼び方((例)就労ビザ等)をすることもありますが、在留資格とビザは厳密には違います。
査証(ビザ)とは、来日を希望する外国籍の方の所持するパスポートが有効であり、かつその方が日本に入国しても差し支えないとして自国にある日本大使館または領事館から発給される証書(いわゆる推薦状)です。
在留資格は、大きく2つの種類に分けられます。
活動系の資格と身分系の資格です。
○活動系資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動
→就労可能資格と就労不能資格に分かれます。
○身分系資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
→いずれも無制限就労可能資格です。
各資格ごとに在留期間の範囲が決められています。
資格の数が多いので、活動系の資格を抜粋して簡単に説明しておきます。
「経営管理」・・・企業等の経営者 外国人が日本で企業するとき
「医師」・・・医師、歯科医師、看護師
「教育」・・・中学校・高校の語学教師等
「技術・人文知識・国際業務」・・・外国人が企業に就職する際の一般的な資格です。通訳や翻訳もこれに該当します。
※以前は、文型と理系で資格が分かれていましたが、現在は統合されています。
企業が外国人雇用を考える場合は、この資格の許可を受けてもらうのが一般的です。
「介護」・・・介護人材の確保から平成29年から新しく創設された資格です。
介護福祉士の国家資格を取得した方が対象となります。
「興行」・・・俳優、歌手、スポーツ選手等
「技能」・・・外国料理の調理師、パイロット等職人系の資格です。
コックさんはあくまで外国料理ですので、日本料理は含みません。
「技能実習」・・・日本の技術を海外へ移転するために来日する外国人技能実習生の資格です。最近、よくニュースになっています。
「短期滞在」・・・観光客等
※短期の滞在なので、在留カード(中長期滞在者に発行される)は交付されません。
「留学」・・・大学、短大、高等専門学校、高校、中学校、小学校で修学するための資格です。
※日本語学校に通っている外国人も増えています。
留学の低年齢化が進んでいるので、改正で中学校や小学校も加わっています。
「家族滞在」・・・在留外国人が扶養する配偶者・子
※ ご興味がある方は、入国管理局のHPに在留資格の一覧表(種類、具体例、在留期間の範囲)がありますので、ご覧ください。
※余談ですが、コンビニや飲食店で見かけるのは、「留学」や「家族滞在」の資格を持った方が多いです。留学(あくまで勉強することを目的で入国している。)や家族滞在は、就労ができませんが、資格外活動許可ということで週28時間の労働時間の範囲で認められています。
週28時間を超えて働かせると雇用主側に責任がでてきます。
現在の法制度では、就労系の在留資格は、専門技術的な知識や経験を持つ方しか許可しないため、原則 単純労働は許可されません。
先月、政府が単純労働者も容認する方向で進めると発表しましたので、外国人労働者の受入れ増加に大きく舵をきったといえます。