弁護士のセカンドオピニオン

■自己紹介

皆様、はじめまして。「SOSフクオカ」メンバーの弁護士有馬純也です。

福岡市中央区大名にある福岡城南法律事務所に所属しています。当事務所は1975年の設立で、ベテランから若手まで11人の弁護士が協力し合いながら活動しています。

どうして中央区にあるのに城南事務所なの?とよく聞かれますが、大先輩たちが決めたことなのでよく分かりません…(福岡市以外の方にはわかりにくいでしょうが、福岡市には城南区もあるため、城南事務所である以上は城南区にあるべきだというのが一般的理解なのです)

弁護士になって14年、ようやく中堅の仲間入りというところでしょうか。

 

■弁護士の取扱業務

一般の方は、弁護士と関わることは少ないでしょうし、ドラマとかで見る以外には弁護士がどんな仕事をしているのか想像がつきにくいと思います。参考までに弁護士会が例としてあげている弁護士の取扱業務は以下のように分類されています。(長いのでサッと流して読んで下さい)

  • 一般民事関係:契約交渉・契約書の作成、債権回収、競売・強制執行事件
  • 不動産関係:不動産取引、借地・借家事件、建築紛争、マンション管理、通路・境界等の隣地紛争
  • 損害賠償関係:交通事故、PL法、労災事故、学校事故、医療事故、その他の損害賠償請求事件
  • 労働関係:労働事件(労働者側・使用者側)
  • 家族・親族関係:夫婦、離婚、親子関係などの家事事件、成年後見、遺言、相続、遺産分割、ドメスティックバイオレンス被害、国際的家事・相続
  • 破産・債務整理関係:消費者破産、債務整理、個人再生、会社の破産、会社再建関係(会社更生、民事再生、商法上の整理)
  • 社会問題関係:消費者問題、ゴルフ会員権、セクシュアルハラスメント、日照権・騒音などの環境問題、公害問題、高齢者・障害者の権利、子どもの権利、証券・先物取引被害、民事介入暴力、宗教団体に関する紛争
  • 商事関係:商取引に関する交渉・契約、手形・小切手事件、会社設立・運営(株主総会、顧問業務)、保険、株主代表訴訟(株主側・役員側)、会社合弁・会社買収、独占禁止法、不正競争防止法、国際的商取引
  • 無体財産関係:工業所有権(特許、実用新案、意匠)、商標、著作権
  • 行政関係:行政事件訴訟、税金訴訟、土地収用、情報公開請求
  • 刑事・少年関係:刑事弁護、少年付添事件、告訴・告発、犯罪被害者救済
  • その他:出入国管理・国籍、海事・航空関係

 

ありとあらゆる紛争を解決するお手伝いをしています。(私がこれを全部できるとは言ってませんので…)

「紛争を解決する」と書きましたが、「紛争を未然に防止する」のも弁護士としての重要な役割です。

紛争は起こさない(巻き込まれない)にこしたことはありません。

新しい契約をするときに、ちょっと弁護士に相談してみるだけで、トラブルを未然に防げることもあるでしょう。

弁護士なんて自分とは関係ないとは思わずに、気軽に相談できる弁護士の友人を作っておくことは大切だと思います。

弁護士の知り合いがいないというのであれば、弁護士会法テラス、自治体の法律相談などで有料・無料の法律相談がたくさん有りますので、気軽に相談して下さい。

 

■弁護士のセカンドオピニオン

弁護士の業界でもセカンドオピニオンを求められることがあります。「既に弁護士に依頼しているが、その弁護士の事件処理が正しいのか教えて欲しい」というものです。

弁護士の事件の処理には決まったマニュアルがあるわけありません。それぞれの弁護士の個性、能力、経験があります。事件を多角的に見てもらうためにセカンドオピニオンを求めることは重要だと思います。

ただ、弁護士のセカンドオピニオンには注意すべき点もあります。弁護士が事件の処理方針を決めるには、依頼者から事情を聞き取って証拠を精査して事実関係を把握し、関連する法律や判例を確認して、事件の見通しを立てていきます。この「事実関係を把握」するのに相当な時間と労力を要します。

セカンドオピニオンの場面では、30分から1時間程度の短い時間での相談が想定されます。それだけの短時間で弁護士が事実関係をしっかり把握できるのか? 事案によって難しい場合もあるでしょう。また、セカンドオピニオンを求められた弁護士は、相談を受けているだけで責任を負うわけでは無いので、甘い見通しを告げてしまう可能性もあります。セカンドオピニオンを提示した弁護士の言うことを鵜呑みにするのではなく、提示されたセカンドオピニオンを率直に担当弁護士に確認し、しっかりと話し合うことが大切です。納得いく説明がなければ弁護士を替えるというのも一つの手です。

あと、弁護士報酬の高い安いもセカンドオピニオンの一種でしょう。昔は弁護士会が弁護士報酬の基準を作っていましたが、平成16年から弁護士報酬は自由化されました。各事務所が独自の報酬規定を作っています。相談無料とうたって間口を広げておいて、意外と高い報酬を請求するところもあります。弁護士といったん契約してしまうと、依頼者から「やっぱりやめる」といってもお金を返してもらえない場合もあります。(契約書を読むとそんなことが書いてあったりします。)弁護士費用の妥当性については、弁護士と契約する前の段階でセカンドオピニオンを求めたほうがいいです。もし、契約をせかすような弁護士ならやめた方がいいでしょう。

さいごに、「弁護士は、他の弁護士等が受任している事件に不当に介入してはならない。」とされています(弁護士職務規程72条)。セカンドオピニオンとして意見を述べるだけであれば「不当に介入し」たことにはならないといえますが、担当弁護士の解任を迫るようなことは不当介入にあたるでしょう。セカンドオピニオンを求めた弁護士の品性をしっかり見極めることも必要です。

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